アイス製造の米ベン&ジェリーズ、親会社ユニリーバからブランド買い戻し目指す
米アイスクリーム製造のベン&ジェリーズの創業者が、親会社の英・オランダ日用品・食品大手ユニリーバから、「ベン&ジェリーズ」ブランドを買い戻すことを検討しているもようだ。
ベン&ジェリーズは1978年、ユダヤ系のベネット(ベン)・コーエン、ジェリー・グリーンフィールド両氏によって創設された。両氏は社会問題に強い関心を持っていることで知られ、2021年には、イスラエルによるパレスチナ自治区の占領政策に反対し、ヨルダン川西岸でのアイスクリーム販売を停止するなどの行動を取ってきた。
2期目のドナルド・トランプ政権誕生に当たっては、「最低賃金、皆保険制度、人工中絶、気候変動」といった課題の重要性を指摘する声明を発表しようとしたところ、ユニリーバによって阻止された。こうした軋轢を含め、ベン&ジェリーズは現在、ユニリーバを米連邦地裁に提訴している。
創業者2人は、ブランド買い戻し計画について、トランプ政権に迎合しているかに見えるユニリーバと決別し、社会問題を重視する投資家との連携を目指したい考えとみられる。
レゴ、リサイクル原料の使用拡大
デンマークのブロック玩具大手レゴが、一部のパーツについて、原料の3分の1をリサイクル品に移行する方針を打ち出した。
発表によると、同社はパーツのタイヤを対象に、漁網やロープ、エンジンオイルから再生された原料を3分の1以上、混入させる。化石燃料由来の原料への依存を減らすのが狙いだ。
同社はリサイクル原料が使用されたタイヤを、各種のブロックのセットの中に既に入れており、流通は始まっている。見た目は既存のタイヤと変わらないという。
今年末までには約120セットに含まれる3種類のタイヤについて、3分の1のリサイクル原料使用比率を達成するとしている。2032年までには、対象パーツをさらに拡大する計画だ。
【レゴ】The LEGO Group introduces tires made with recycled materials
https://www.lego.com/en-gb/aboutus/news/2025/february/the-lego-group-introduces-tires-made-with-recycled-materials
台湾サーバー大手の緯穎、米子会社に450億円増資
台湾の電子機器受託製造(EMS)大手ウィストロン(緯創資通)傘下で、サーバー製造大手の緯穎科技服務(Wiwynn)は先に開いた取締役会で、米テキサス州での新工場建設に向け、米子会社の3億ドル(約450億円)増資を実行する方針を決定した。
増資対象は米子会社の緯穎テクノロジー(WYMUS)。国際情勢の不確定性が増していることに加え、グローバルサプライチェーン(供給網)再編に伴う変化に対応し、生産・出荷能力を増強するのが目的としている。
台湾においても、南部サイエンスパーク(科学園区)で建設中の工場兼オフィスの設備投資予算を約80億台湾ドル(約360億円)に引き上げる。
現在、緯穎の出荷分としては、メキシコ工場からの製品が多い。ドナルド・トランプ2期目政権の新たな関税措置を受け、影響を軽減する狙いもあるとみられる。
【緯穎科技服務(Wiwynn)】Wiwynn Reports Fourth Quarter 2024 Financial Results
https://www.wiwynn.com/news/wiwynn-reports-fourth-quarter-2024-financial-results
静岡銀行、タイ・カシコン銀行と包括業務提携
静岡銀行とタイの民間銀行大手カシコン銀行は、包括業務提携を締結したと発表した。タイに加え、ベトナムやカンボジア、ラオス、インドネシアなど東南アジア各国に進出する日本企業のほか、日本に進出する東南アジア企業向けの事業支援を拡大・強化する。
静岡、カシコン両行は2011年、タイや周辺国に進出する日本企業向けの支援体制構築に向けて業務提携契約を締結し、これまで日本企業100社以上のタイ進出を金融面からサポートしてきた。
静岡銀は、アジア各国のインバウンド客対応や日本からアジア各国へのアウトバウンドの取り込み、技能実習生など外国人就労者への金融サービス提供、高度外国人材の採用、海外企業との技術提携など顧客ニーズの多様化・高度化に対応するため、「国際部門に特化していた協業範囲を拡大し、プライベートバンクや地方創生、クレジットカード業務など、広範な事業分野での連携体制を構築する」としている。
【静岡銀行】カシコン銀行との業務提携の拡充について
https://www.shizuokabank.co.jp/news/20250219_wv5/250219_NR2.pdf
(毎週火曜日連載、次回#17は3月11日公開予定)