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損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和「金融庁業務改善命令」の進捗を報告

損害保険大手のMS&ADインシュアランスグループホールディングスは6月13日、子会社である三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の2社が、2023年12月の企業向け保険の価格調整問題に関する金融庁の業務改善命令に基づき、5回目となる改善状況報告書を提出したことを発表した。

一方、SOMPOホールディングス(HD)も13日、子会社の損害保険ジャパンが同業務改善命令に対する改善計画の進捗状況等を提出、さらに24年1月の自動車保険金不正請求等に関する業務改善命令について、親子両社が進捗状況を提出したことを発表した。

ただ、両大手損保グループの改善状況報告書は、複数の金融庁の行政処分に関連したものとなっている。

相次いだ大手損保への行政処分

まず、23年12月の金融庁処分は、企業向けの保険料について損保大手が事前に価格を調整していた問題を受けてのもの。金融庁は、損保ジャパン、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保、そして東京海上ホールディングス(HD)傘下の東京海上日動火災保険の損保大手4社に保険業法に基づく業務改善命令を出していた。

これは、複数の損保が共同して1つの保険契約を引き受ける共同保険について、各社の担当者が事前に保険料を調整していたことが発覚、独占禁止法が禁じるカルテルに抵触する可能性も指弾された問題だった。

もうひとつの24年1月の業務改善命令は、SOMPOHDと損保ジャパンを対象にした、中古車販売大手のビッグモーター(当時、現WECARS=ウィーカーズ)の保険金不正請求をめぐるもの。この問題はビッグモーターの創業家による異形の絶対支配など、お茶の間でも大きく問題が報じられ、いまだ記憶に新しいはずだ。

特に損保ジャパンは、出向者の積極的な派遣や不正請求発覚後も入庫紹介を再開するなど、ビッグモーターと関係が深いとされた一方、親会社であるSOMPOHDが子会社、損保ジャパンのガバナンスを適切に制御できなかったことも問題視された。

さらに損保大手に対する金融庁処分はもうひとつある。今年25年3月、金融庁が大手4社に対し契約者の個人情報漏洩について出した業務改善命令がそれだ。保険代理店と保険会社間で個人データを漏洩、または本人同意のないままに第三者に個人情報を提供していたことが発覚し、今回公表された各社の進捗状況の報告でも同命令に関して触れられている。また、この処分を受けて、新たな業務改善計画を策定し直すことを余儀なくされている。

それでは、損保大手各社はどのような改善状況を提出しているのだろうか。