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東京コスモス電機「TOB発表」も約19%プレミアム付き買付価格に変動要因あり

TOB価格が変更になる可能性も?

今回の東京コスモスのTOB賛同リリースによると、当のボーンズ社側も株主総会の行方を固唾を呑んで見守っているようだ。

〈本定時株主総会が当社(編集部注=東京コスモス)の株主の皆様にとって当社の経営方針及び経営の受託者を決定する重要な場となるものと予想している〉

つまり、ボーンズ社側は、大株主側の取締役候補が選任され、経営陣が入れ替わることもあり得ることを想定しているかのような表現となっていると言える。

そればかりではない。余剰金の配当金額についても懸念が燻る。というのも、今回の総会では会社側から1株175円の期末配当が提案されているが、リリースは、株主の修正動議によって増額が決議される可能性があることも示唆しているのだ。

このことから、ボーンズ社は株主総会での議決結果を見届けてTOB価格を決定しなければ、買い付けを開始することはできないと判断しているという。ただ、総会を目前にしてTOB実施を発表したのは、株主が議決権を行使するに当たって、判断材料を提供することが有益と考えたため。

また、リリースによると、〈前提条件が充足された場合〉という注釈付きながら、6月30日にTOBを開始する予定。そして、開始の見込み時期が変更となる可能性はあるものの、TOBを撤回する意向は〈現時点ではない〉という。

いずれにせよ、6月24日に開催される定時株主総会がTOBの行方を決める”天王山”となると言えよう。

一方、前日の6月9日には東証スタンダード上場で学習塾「第一ゼミナール」などを展開するウィザス(大阪市)が、日本産業推進機構によるTOBを発表している。同社の大株主は東京コスモスと同じSAFSだが、ウィザスのTOBにSAFSは賛同、すでに応募することを公表している。2日連続で、SAFS関連銘柄でのTOBが相次いでいる。

20:30【東京コスモス電機】Bourns Japan Holdings LLCによる当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ
https://www.tocos-j.co.jp/tocos-j-wp/wp-content/uploads/2025/06/ir20250610.pdf