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イオンFS「ベトナム子会社の不正会計発覚」で契約無効に買収元の現地銀行は“困惑声明”

262億円の買収完了後4カ月で不正発覚、買収元の反応は…

東証プライム上場のイオンフィナンシャルサービス(FS)は6月6日、今年2月に連結子会社となったベトナムのファイナンス会社、Post and Telecommunication Finance Company Limited(PTF、ベトナム・ハノイ)の契約締結前の開示情報において〈実態と大きく乖離する会計情報〉が発覚したとの理由で、買収元の現地銀行であるSoutheast Asia Commercial Joint Stock Bank(SeABank、ベトナム・ハノイ)に対して契約無効通知を送付したことを発表した。

〈実態と大きく乖離する会計情報〉となると、不正会計と言えるが、イオンFSはPTFに対するPMI(Post Merger Integration、連結後の経営・業務・システムや組織等の企業風土を含めた経営統合プロセス)を行う過程で、その事実が明らかになったという。

イオンFSは今回のリリースで〈当社は今後、事実関係の徹底究明、関連当局への協力、本持分譲渡契約無効化のためのベトナム法上必要な法的手続きの実施、本持分譲渡契約の締結にかかる費用の返還と損害の賠償、SeABank及びその役員等関係者の法的責任の追及等を強く求めてまいります〉と続けている。

ただ、PTFの連結子会社化については、イオンFSがSeABankからPTFの持分を取得することを合意したと発表したのは23年10月にさかのぼる。当時のリリースでは24年中に譲渡が行われる予定としていたが、結局、イオンFSは今年2月3日にPTFを4兆3000億ドン(約262億円)を投じて100%取得することになった。

連結子会社から4カ月余りが経った今になって不正会計が発覚した格好だが、売却元のSeABankも6月7日にベトナム語と英語でリリースを発表。ところが、そのトーンはイオンFSのものとは大きく異なっている。