SBSフレックからの訴訟は係争中
それから約1年後の23年10月11日、クラボウはSBSフレックから損害賠償請求訴訟を提起される。クラボウのリリースによると、訴訟の理由は〈本件火災によりSBSフレック株式会社阿見第二物流センター他が焼失したことに伴う預かり荷物等に関する損害および逸失利益に対する損害賠償請求〉で、損害賠償の金額は43億9500万円。
そして、それからさらに約1年半が経った今回、損保ジャパンから、SBSフレックの損害賠償請求権の一部を取得したとして、36億6049万円の損害賠償請求を受けたというわけだ。
クラボウは請求内容を精査のうえ、適切に対応していくとコメントしているものの、気になるのがその後に続く、〈なお、2023年10月11日付「当社に対する損害賠償請求訴訟の提起等に関するお知らせ」にて公表しております、SBSフレック株式会社との損害賠償請求訴訟については、現在訴訟係属中であり、引き続き、代理人弁護士を通じて適切に対応してまいります〉という文言だ。
23年10月11日にリリースには〈本件火災に関連して、当初見積額約11億円とする阿見第二物流センターの解体撤去費用等につき、本年4月末時点で約6.8億円の費用が発生している旨の通知を関係する会社から受けております。これらについての今後の協議等の結果によっては、本件訴訟とは別に当社に追加の損害が発生する可能性があります〉とも書かれている。
クラボウの2025年3月期の売上高は1500億円。繊維メーカとして社業が始まったが、近年は化成品事業が主力事業となり売上高は660憶円と全体の4割を占める。
火災発生・鎮火から3年経ても、まだその火はくすぶっているようだ。
16:00【クラボウ】当社に対する損害賠償請求訴訟の提起に関するお知らせ
https://www.kurabo.co.jp/ir/assets/20250604sosyouteiki.pdf