presented by D-QUEST GROUP

オルツ「粉飾疑惑」報道で8月“ガバナンス再構築”臨時株主総会の行方

売り上げの過大計上疑惑に揺れるAI(人工知能)開発のオルツ(東証グロース上場)は6月4日、今年8月中旬頃に臨時株主総会を開催することを発表した。その一方で翌6月5日の朝日新聞朝刊では「粉飾決算疑惑」が報じられる事態に――。新規株式公開(IPO)から半年で、その先行きは不透明となっている。

上場から半年、監視委の強制調査

事の発端は、今年4月25日17時に同社が発表したリリース《第三者委員会設置及び2025年12⽉期第1四半期決算短信の開⽰が四半期末後45⽇を超えることに関するお知らせ》だった。

リリースによると、同月初旬からオルツは証券取引等監視委員会の調査を受けており、社内でも調査を進めたところ、主力サービスである「AI GIJIROKU(AI議事録)」について、売り上げが過大計上されている可能性が判明。一部の販売パートナーから受注した有料アカウントを売り上げに計上しながら、実際にはアカウントが利用されていないといった事態を確認したと公表していた。

これを受けてオルツは、瓜生・糸賀法律事務所の⼩⼭太⼠弁護士(元大阪高検検事長)を委員長とする第三者委員会を設置する一方、5月14日に提出予定だった2025年1月~3月期決算についても発表は困難であるとして延期していた。

そして今回、8月中旬に臨時総会を開催することを決定したわけだが、オルツはその目的をコーポレートガバナンスの強化とし、取締役の追加選任を株主に諮るためとしている。ただ、議案の詳細、開催日時・場所は現時点では未定という。なお、この総会で議決権を行使できる株主の基準日は6月30日。

4月25日の第三者委の設置発表から、この間、オルツをめぐっては種々の疑惑がメディアのみならず、SNSなどでも取り上げられており、監視委の調査も強制調査で、「有価証券報告書虚偽記載」の金融証券取引法違反ではないかとの疑念がくすぶっていた……。