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創薬支援トランスジェニック「受託試験データ不正」で株主総会継続会を開催【5月28日「適時開示」ピックアップ】

前日5月28日の日経平均株価は前日比1円安の3万7722円で取引を終えた。そんな5月28日の適時開示は243件だった。

「契約総額2億円」の受託試験で不正

東証グロース上場で創薬支援を手掛けるトランスジェニックグループ(福岡市)は5月28日、子会社で発覚した試験データ不正に関連して、定時株主総会(6月30日開催予定)の継続会を開催する方針について発表した。

不正が発覚したのは事業子会社、トランスジェニックの磐田研究所(静岡・磐田市)。受託した試験の一部で職員による試験データに関係する不正が判明した。リリースによると、医薬品の安全性・有効性を評価する基準「GLP」(適正試験実施規範)をめぐっての不正といい、規制当局による承認などにも悪影響を与えることも想定される。

これを受けて持ち株会社のトランスジェニックグループは5月12日、補償や再試験費用などの発生で特別損失を計上する可能性があることから、翌13日に予定していた2025年3月期決算の発表を延期していた。そして今回のリリースのとおり、25年3月期の連結計算書類や監査報告などが提出できず、株主総会の継続会を開催することになった格好。

一方、トランスジェニックグループは22年3月期から25年3月期を対象に外部弁護士による調査を進めるとしているが、データ不正が発覚した受託試験の契約総額は2億円弱、そのうち4分の1程度が問題に関係していると発表している。

同社の業績を見ると、24年3月期決算は売上高約130億円に対し、営業利益は約9000万円、純利益は400万円だった。さらに、昨年11月発表の25年3月期業績予想は売上高125億円、営業利益は1億1000万円の赤字、純利益も2億1000万円の赤字を見込んでいる。

【トランスジェニックグループ】第27期定時株主総会の継続会の開催方針に関するお知らせ
https://transgenic-group.co.jp/pressrelease/pdf/20250521.pdf