presented by D-QUEST GROUP

AGPが筆頭株主JAL「非公開提案」に猛反発、ガバナンス検証委を設置【5月2日「適時開示」ピックアップ】

ゴールデンウイーク中日で前営業日5月2日金曜日の日経平均株価は前日1日比378円高の3万6830円と、7日続伸で引けた。そんな2日の適時開示は206件だった。

JAL「利益相反構造を解消する非公開化」

東証スタンダード上場で空港インフラ事業のエージーピー(AGP、東京・大田区)は5月2日、「ガバナンス検証委員会」を設置したことを発表した。

AGPは国内主要空港において、駐機している航空機に対して電力や冷暖房などの動力供給を主に手掛けてる。1965年、旧運輸省(現国土交通省)の航空局が中心となって国内主要航空会社4社の共同出資で「日本空港動力」として設立された。そして2001年にはジャスダック(店頭)に株式上場し、22年4月より東証スタンダード市場に移行している。

そのような経緯もあって、昨年末現在で筆頭株主の日本航空(JAL)が30.47%、日本空港ビルデングが24.50%、ANAホールディングス(HD)が18.3%保有と、プライム上場の上位3株主だけで73%を超える株式を保有している。

そもそも、今回のガバナンス検証委員会の設置の引き金となったのは、AGPを持ち分法適用会社とするJALによる株主提案だった。JALは4月25日、今年6月開催のAGPの定時株主総会において、同社の株主をJAL、日本空港ビル、ANAHDの3社のみとする株式併合(123万5700株を1株に併合)を実施し、それ以外の株主から株式を買い取る非上場化を提案している。

JALによると、近時、AGPは株主への情報提供の平等性を厳格に徹底する立場から、大株主との個別対話を控えており、〈当社(JAL)と少数株主との間の利益相反構造を過度に強調するあまり、当社において、AGPとの間で、AGPの経営方針や事業戦略等に関する株主としての一般的な対話さえ行うことが困難な状況〉になっていると主張。

そのうえで、〈AGPを非公開化して潜在的な利益相反構造を解消した上で、効率的なガバナンス体制を新たに構築〉し、同社の企業価値向上を図るとしている。JAL側は日本空港ビルおよびANAHDに非公開化を打診して合意を取り付けた一方で、AGP側にも協議開始を繰り返し求めてきたが、〈具体的な協議に応じて頂くことはできませんでした〉という。