元タレントの中居正広氏のトラブルをめぐって、フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)と傘下のフジテレビジョンが設置した第三者委員会で、委員を務める寺田昌弘弁護士が辞任し、第三者委は代わって山口利昭弁護士を選任したことを3月5日19時半、フジHDが発表した。
【フジ・メディア・ホールディングス】第三者委員会の委員の辞任及び追加選任について
https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
リリースによると、寺田氏は3日付で「一身上の都合」により辞任し、翌4日に第三者委が山口氏を選任した旨、フジ側に連絡があったという。なお、山口氏とフジ側との間には利害関係はないとしている。
今回辞任した寺田氏は三浦法律事務所のパートナーで、1996年に弁護士登録。濱田松本法律事務所(現 森・濱田松本法律事務所)を振り出しにシティユーワ法律事務所などに所属してきた。メディア関連で言うと、2019年からBS朝日放送番組審議会委員、21年からは同委員長を務めている。
一方、急遽選任された山口氏は、90年に弁護士登録。フジHDのリリースにある通り、〈過去に不正調査や調査委員会の経験が豊富で、社外役員を歴任して内部統制・ガバナンスを監督する 経験も有しており、専門性〉を備えた弁護士だ。
事実、三菱電機の検査不正やアイ・アールジャパンホールディングスの元副社長によるインサイダー事件を受けた外部委員会、第三者委員会の委員長などを歴任してきた経歴を持つ。ちなみに、企業法務関係者の間では個人ブログ「ビジネス法務の部屋」を運営することでも広く知られる。
特に注目されるのが、山口氏がフジ第三者委委員に加わったことで、委員長を務める竹内朗弁護士(プロアクト法律事務所代表)とともに委員3名のうち、2名が「公認不正検査士(CFE)」であること。米国発の企業・組織不正の予防や検出、調査を専門にした資格で、近年、CFE資格を持った弁護士や公認会計士などが第三者委の委員を務めるケースが増えている。