【2025年2月6日「適時開示ピックアップ」】オウケイウェイヴ、倉元製作所、UEX、日本製鉄、神戸製鋼

2月6日木曜日の東京株式市場は3日続伸となった。日経平均株価は前日比235円高の3万9066円で引けた。5日の米国株の値上がりを好感した格好だ。そんな2月6日の適時開示は512件。これらの中から、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ。周辺情報も交えて紹介する。

「オウケイウェイヴ」誰でも参加できる“投資家向けオンライン説明会”を開催

名証ネクスト上場でコミュニティサイトなどを運営するオウケイウェイヴ(東京・港区)は、2月13日に2025年6月期第2四半期決算について杉浦元社長が説明するが、同時に13~18日の間の計5回、投資家向けに直接オンライン決算説明会を開催する。

事前の申し込みは不要で、ウェビナー形式で誰でも参加でき、チャットで質問も可能。記者やアナリスト向けの説明会は多いが、だれでも参加できることは珍しい。

【オウケイウェイヴ】投資家向けオンライン説明会開催のお知らせhttps://www.release.tdnet.info/inbs/140120250206564699.pdf

ガラス基板「倉元製作所」株主優待で“中国ユニコーン企業”を視察

東証スタンダード上場で液晶用ガラス基板などを加工する倉元製作所(宮城・栗原市)は、株主優待として始めた中国視察旅行の企画で、招待する5人を抽選で決めたと発表した。1万株以上保有する株主から選んだ。当選した株主には個別に連絡する。

3月30日から2泊3日の日程で、北京のユニコーン企業「ByteDance」を視察する。費用の20万円を払えば追加で参加(5人枠)もできるという。株主還元の方法で各社、工夫を凝らしている。

【倉元製作所】株主優待のお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250206565202.pdf

ステンレス商社「UEX」貿易保険“不正請求は詐欺罪”と第三者委が指摘

東証スタンダード上場でステンレスの商社のUEX(東京・品川区)は、貿易保険の不正請求の原因などを調べていた第三者委員会の調査結果報告書(委員長=酒井邦彦弁護士、元広島高検検事長)を公表した。

今回の不正請求は、貿易部貿易チームの社員らが2010万円分の保険金を不正に受け取っていたもので、その原因について、貿易部の人員の固定化や、取引の管理体制が不十分だったとした。

一方、内部統制に関する委員会も機能不全に陥っていたと指摘。たとえば、コンプライアンス委員会で一度、コンプライアンスの視点を重要視した人事考課の検討が議論されたが、立ち消えになっていたという。

さらに調査委員会は、主体的に不正請求に関わった社員について「詐欺罪の成立が考えられる」と報告。民事上の責任だけでなく、刑事的観点にまで踏み込んでいる。実際、当該社員は、受領済みの前受金があるのにもかかわらず、取引の金額全額を日本貿易保険(NEXI)に請求していた。

NEXIは経済産業省100%出資の特殊会社で、公の機関を欺いたことを重視したとみられる。

【UEX】第三者委員会の調査結果報告書受領に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250206564594.pdf

「日鉄」と「神鋼」持ち合い解消でも業務提携は継続

東証プライムの日本製鉄は、提携関係にある同プライム上場の神戸製鋼所の株式 (1073万株で神戸製鋼所の株式の約3%)を売却すると発表した。また、神鋼側も、保有する日鉄株式(674万株で約1%)をすべて売却すると発表した。ただ、業務上の提携関係は継続するとしている。

理由として両社は、資産圧縮による資本効率向上を挙げている。金融庁や東証は政策保有株(持ち合い)の縮減を求めており、外形的にはこの流れに従った格好と言える。 株式を持ち合わなくとも、業務提携は可能という新たな判断とも言えそうだ。

【日本製鉄】株式会社神戸製鋼所株式の売却について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250203561895.pdf
【神戸製鋼所】日本製鉄株式会社株式の売却について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250206564920.pdf

(平日連載、2月6日公表分に続く