【2025年1月16日「適時開示ピックアップ」】楽天グループ、西華産業、日野自動車、アイリッジ
1月16日の東京株式市場は6日ぶりに反発し、日経平均株価は前日比128円高い3万8572円で終えた。前日の米国の株高の流れを引き継いだ。そんな16日の適時開示は151件。これらの中から、コーポレート・ガバナンスコンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ。周辺情報も交えて紹介する。
「楽天グループ」従業員ら1万6000人にストックオプション
東証プライムの楽天グループは、子会社を含めた計1万6096人の従業員らに対し、計6万9592個(695万9200株)の新株予約権(ストックオプション)を付与すると発表した。
グループの業績向上や株価上昇への貢献意欲を高めることができる、と説明している。この新株予約権の付与を含む報酬総額については、事業や部門の業績、個人の人事評価などを反映して決めるという。
ちなみに楽天グループの1月16日の終値は899円だった。
【楽天グループ】当社子会社取締役並びに当社及び当社子会社の執行役員及び従業員に対する ストックオプション(新株予約権)の付与について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241220541660.pdf
「西華産業」政策保有株をさらに減らす計画
東証プライム上場の機械商社、西華産業(東京・千代田区)は「政策保有株」(持ち合い)をさらに縮減すると発表した。
現在、政策保有株式は12銘柄で34億円相当。純資産に占める割合は18.80%(2025年3月期中間期)で、28年3月期までに10%ほどに減らす考えだ。これまでも削減を進めており、21年3月期では28.04%になっていたという。
海外の機関投資家を中心に政策保有株には批判が多く、議決権行使助言会社の米ISS(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ)は純資産に対する比率が20%以上の場合、トップの選任議案に反対するよう推奨している。
【西華産業】政策保有株式の縮減に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250115551076.pdf
エンジン認証不正で「日野自動車」が米国当局と和解
東証プライムの日野自動車は、排ガスと燃費の認証不正に絡み、米国当局と民事訴訟で和解に至ったと発表した。制裁金12億ドル(約1900億円)を米当局に支払う。
内訳は、刑事制裁金が5億2176万ドルで、民事の和解において米司法省(DOJ)、環境保護庁(EPA)などに4億4250万ドル、カリフォルニア州大気資源局などに 2億3650万ドルとなっている。
小木曽聡社長は「二度とこのような問題を起こさないよう、企業風土、管理監督体制、コンプライアンスに関する抜本的な改革など、全社をあげて再発防止を取り組んでおります」とのコメントを出し、「再び社会にお役立ちできる会社として生まれ変わる」と結んだ。
一方で、今回の問題は走行性能に影響はなく、安全上の懸念が生じるものではないことも強調した。
【日野自動車】エンジン認証問題に関する当社及び当社米国子会社と米国当局との和解に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250115551152.pdf
「アイリッジ」日経報道を受け“決まってない”から4時間後一転”提携します”
東証グロース上場でアプリケーション開発のアイリッジ(東京・港区)は1月16日午前8時55分に「一部報道に関する件」とのリリースを出した。
内容は、日本経済新聞が報じた博報堂がアイリッジに出資する報道で、「当社が公表したものではありません。当社が本件を検討していることは事実ですが、現時点で決定した事実はありません」としていた。
しかし4時間後の午後1時、博報堂と資本業務提携を結ぶと発表。アイリッジは、第三者割当増資で博報堂に対し、全体の1.87%の株式を割り当てる。今後、アイリッジのアプリの開発力と、博報堂の生活者を対象にしたビジネスの力を掛け合わせていくとしている。
【アイリッジ】一部報道に関する件
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250116551415.pdf
【アイリッジ】株式会社博報堂との資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250115551334.pdf
(平日連載、1月17日公表分に続く)
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