【2024年10月24日「適時開示ピックアップ」】森下仁丹、奥村組、おきなわFG、千葉銀行、24セブン

10月24日木曜日の東京株式市場は小幅ながらも、4日ぶりに反発した。日経平均株価の終値は前日より38円高い3万8143円だった。24日の適時開示は145件で、この中からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。

「森下仁丹」が目もとパックシートなどを回収

東証スタンダードで健康食品や医薬品のメーカー、森下仁丹は、目もとや口もとをケアするシートを自主回収すると発表した。「酢酸トコフェロールの配合が化粧品基準を上回っていたことが判明したため」と理由を説明する。回収の対象は「RAViS 目もとパックシート5セット（10枚）入」など計8種類の商品で、パッケージでは「貼って眠るだけ」「うるおってふっくらハリ感」と宣伝している。森下仁丹は、安全性に問題はないという。食品安全委員会などのホームページによると、酢酸トコフェロールはビタミンEの一種。

【森下仁丹】仁丹パックシートH の自主回収のお詫びとお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241024501977.pdf

工事費用付け替えの疑いで「奥村組」が社内調査委員会を設置

東証プライム上場で老舗の中堅ゼネコン、奥村組は不適切な会計処理があったとして社内調査委員会を設置する。事実確認のほか、原因究明や再発防止にあたる。奥村組の発表によると、受注した工事の費用を、別の工事に計上していた。内部通報が発端で、同社のコンプライアンス室が調べたところ、別の工事の付け替えの疑いも出ている。調査委員会の委員長は社外取締役監査等委員の小寺哲夫弁護士が務める。同社は2025年3月期第2四半期（中間期）決算を11月12日に公表する予定だが、延期の可能性もあるとしている。

【奥村組】社内調査委員会の設置に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241024501863.pdf

おきなわFG傘下「沖縄銀行」で34億円の含み損

東証プライム上場のおきなわフィナンシャルグループ（FG）は、2025年3月期の第2四半期末で、子会社の沖縄銀行が持っている有価証券（満期保有目的の債券）の含み損が34億7200万円になると発表した。この金額は、2024年３月期の当期純利益62億6200万円の半分にあたる水準だ。同社は、25年3月期の連結業績予想（当期純利益で約66億円）などについて変更はないとしている。

金融機関の含み損をめぐっては、農林中央金庫が24年3月期で2兆円規模の含み損を抱え、25年3月期は１兆5000億円ほどの最終赤字に陥る可能性が出ている。金利が上昇して債券価格が下落する中、金融市場の注目が高まっている。

【おきなわフィナンシャルグループ】2025 年３月期第２四半期末の有価証券含み損に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241023501640.pdf

「千葉銀行」がAI開発・データ分析企業を買収しDX部門強化

東証プライムの千葉銀行は、AI開発やデータ分析に取り組むエッジテクノロジーの株式の公開買い付け（TOB）を終えたと発表した。一定の株主の応募があり、予定通り、完全子会社化する。エッジテクノロジーは東証グロース市場に上場しているが、近く上場廃止になる。千葉銀行は、この買収でDX部門を強化し、マーケティングの高度化などを図る考えだ。

【千葉銀行】エッジテクノロジー株式会社株券等（証券コード 4268）に対する公開買付けの結果 及び子会社の異動に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241024501844.pdf

ジム運営の「トゥエンティーフォーセブン」が株主優待制度新設

東証グロース市場に上場し、パーソナルトレーニングジム「24/7 Workout」を運営するトゥエンティーフォーセブン（24セブン）は、株主優待制度を新設する。保有する株数によって1万～5万円のクーポン券が贈られる。24/7 Workoutのほか、同じグループ内の会社が運営する駅前留学NOVAも利用できる。一時、使い道に困る機関投資家の意向やコロナ禍で株主優待を廃止する動きがあったが、最近は、個人投資家にアピールするため新設や拡充する企業も出ている。

【トゥエンティーフォーセブン】株主優待制度の新設に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241023501542.pdf

（平日連載、2024年10月25日公表分に続く）