2024年 新年のご挨拶
2024年の年頭にあたり、弊メディア「Governance Q」(ガバナンスキュー)より新年のご挨拶を申し上げます。
まず、元日に発生しました令和6年能登半島地震により犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
さて、Governance Qは昨年、4月のリニューアルに続き、8月末には《「ガバナンス」を考えるオンリーワンのWEBマガジン》と題してサイトを全面刷新、本格スタートを切りました。生後わずか10カ月のメディアではありますが、ここまで来られましたのは、ひとえにご登場・寄稿いただいたご協力者の方々、そして、読者のみなさまのお陰によるものです。ここに改めて、厚く御礼申し上げます。
ステークホルダーとシェアホルダーの複眼
ところで、昨年は上場企業のコーポレートガバナンスのみならず、同族会社や芸能事務所といった非上場企業、大学をはじめとする学校法人の「ガバナンス」が問われる一年でした。Governance Qでも日々発生する企業・組織不祥事に材を取り、記事をお送りしてきました。網羅的に即応できたかは心許ないですが、ガバナンスをめぐる独自の視点を提供できたものと考えています。
確かに、企業・組織において不正・不祥事が絶えないことは「ガバナンス不全」の現れにほかなりません。しかしそれは同時に、いかに不祥事の根絶が難しいか、言い換えれば、健全なガバナンスを機能させることの困難さを物語っています。さらには、社会・世間が「問題」視する尺度も年々厳しくなっており、ひと昔前ならば、見過ごされていた事象が今ではその組織の責任問題として断罪されることもしばしばです。そのような意味で、企業・組織はガバナンスの向上に不断の努力を続けねばならない時代になっているのです。
他方、特に上場企業においては、資本コストや株価を意識した経営が一層強く求められる状況になっています。売上高至上主義ではない筋肉質な経営が求められているわけですが、ここでもキーワードとなっているのは「ガバナンス」であり、ガバナンスの強化が企業価値の向上、ひいては株価上昇を実現するという考え方が共通認識として広がっています。そして、そうした能力がないと判断された経営トップは、株主から”解任=クビ”を突き付けられかねない時代が到来しているのです。
シェアホルダー(株主)からの期待・要求を実現しながら、ステークホルダー(利害関係者)全体の視線にも十分に配慮した経営を行わなければならない――。経営者にはそんな困難な舵取りが求められていると言えるでしょう。
2024年の「Governance Q」
そこで、Governance Qではそうした難題に少しでも資する記事を送り出すべく、より斬新な切り口で、より具体的に「ガバナンスの今」をお伝えしていく所存です。
ガバナンスをめぐる議論はともすれば、建前論に陥りがちです。ちなみに、ガバナンスに先立って日本の企業社会を席巻した「コンプライアンス」。今では、この言葉に窮屈な印象が付きまとっています。まさに”コンプラ疲れ”の体ですが、このままではガバナンスという言葉にも負のイメージが付着しかねません。とはいえ、ガバナンスに”あるべき姿”のイメージがなければ、現状肯定的な内容ばかりに終始しまうのも事実です。先進的なガバナンス制度を導入して当時は持て囃された超巨大企業が、その実、新旧トップの内紛の果てに粉飾決算に手を染め、没落していったケースもご記憶でしょう。
一方、企業・組織にそれぞれの歴史があるようにガバナンスの在り様も決して一様ではありません。組織の生い立ちを抜きにそのガバナンスを語ることは、木に竹を接ぐ話と言わざるを得ません。ただ、個別性は時として独善に転じることもしばしばで、「組織の常識が世間の非常識」というのは、不祥事発生のたびに指摘されるところです。
あちら立てればこちらが立たぬ、ああ言えばこう言う……ガバナンス議論をめぐる状況ですが、今年は、そんな隘路を切り開く新企画を繰り出してまいります。その手始めに、近く、登録者のみなさまにメールマガジンを発信していく予定です。当初は不定期ながら、時に記事ではお届けできない”余話”なども交え、読者のみなさまとの双方向のコミュニケーションツールになることを願っています。
「メールマガジン登録」ページ
https://cgq.jp/magazine/
2024年は、ガババンスを考えるオンリーワンのWEBマガジン「Governance Q」にご期待、そしてご高覧のほど、どうぞよろしくお願いします。
2024年1月5日
「Governance Q」編集部
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