コラムニスト栗下直也の、先人たちの名言・箴言・珍言に宿る「こんなとこにもガバナンス!」連載がスタート
いまや日経新聞を開けば、載っていない日はないほどにポピュラーになった感のある言葉、ガバナンス――。とりわけコーポレートガバナンスは、大手企業のみならず、町場の経営者たちにとっても、なんとなく意識せざるを得ないキーワードと言えるだろう。
曰く「ガバナンスを向上させる」、曰く「ガバナンスが利いていない」、曰く「ガバナンス不在」……。
なんだか分かったような、分からないような。日経に倣って「企業統治」と訳してみたところで、どれだけの社長がこのニューワード(もう新語じゃない?)を腹の底から理解しているのか。目新しくもあり、題目のようでもあり、説教臭くもあり、偽善的でもあり、ちょっと鬱陶しい。そもそも、「ガバナンス」っていつからあるの?
いや、それが相当古いらしいんです。どうやら古代ギリシャ語が源流のようで、「船の舵を取る」といった意味から「統治」に転じていった云々。そんな講釈はさて置き、古代から現在に至る先人たちが、国家であれ、企業であれ、「ガバナンス」的なるものに長く真剣に向き合ってきたのは紛れもない事実。
じゃあ、そんな先人の言葉を紐解けば、押し付けがましい雰囲気漂う「ガバナンス」をちょっとは身近に感じられるのではないか。いや、少なくとも、ガバナンスに関する蘊蓄を垂れることくらいできるようになるのでは……。
ということで、これまで20年近く経済・企業取材を続けた末、今では偉人、超人、変人たちの飲み様、死に様などから現代ビジネスパーソンへの教訓を引き出す気鋭のコラムニスト、栗下直也氏が先達の言葉の中に宿る「ガバナンス」を紡ぎ出す。題して、こんなとこにもガバナンス!――(平日隔日連載)。
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