「ガバナンス」という言葉が不祥事・不正や業績不振、株価低迷など“非常事態”とともに語られることが多い中、ガバナンスは多くの経営層にとって、決してポジティブではなく、どこか陰鬱なテーマとなってはいないだろうか。そこには、法務・コンプライアンス、リスクマネジメント部門を動員して、不確定因子を最大限除去した安全経営を志向する“足枷”のようなイメージすら漂う。

その最たる存在が、法的助言者である弁護士にほかならない。まさに企業、いや経営層が責任追及のリスクを最小化すべく、アドバイスを求める相手である。

しかし、ガバナンスとは本来、そうした弁護士の見解を逐一仰ぐべき対象なのか。むしろ、経営層自身が日々試行錯誤している経営という土壌に、他社の事例や新たな考え方という養分を外から取り入れながら、自分事として骨肉にしていくべきものではないだろうか。

本連載では、ガバナンスを長年、実務と理論の両面から探求してきた遠藤元一弁護士が、日々の出来事などからそのヒントをお送りするものである。題して「弁護士いらずのガバナンス&ロー」ーー。

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