グローバル展開とコンプライアンス調査「海外KYC」の基本と実務【解説シリーズ】
日本企業が海外進出を本格化させて久しいですが、その間、コンプライアンスをめぐる世界的な潮流は目まぐるしい変貌を遂げてきました。なかでも取引先や関係者の属性・背景に潜むコンプライアンスリスクは、財務リスクと並んで、グローバルにビジネスを展開させるうえで細心の注意を払うべき対象となっています。
特に近年、各国当局は安全保障上の観点から制裁リストや規制対象を一層拡大し、違反に対する監視の目を強化しています。 違反企業への制裁も厳格化しており、単なる「知らなかった」では済まされない時代となりました。
しかし、実務の現場に目を向けると、「財務面の与信チェックは厳重に行っているが、相手方のコンプライアンスチェックは後回しになっている」「リスクは排除したいが、確認に時間をかけすぎて営業のスピードを落したくない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。そして、リスク管理と事業のスピードのバランスは一般化されたものではなく、経営方針や状況によって変動しうるものでもあります。その適切な判断軸を養ううえでも、まずは各種リスク対策手法の特性と実務上の役割を把握することが重要な第一歩となります。
そこで、本シリーズでは、当社ディー・クエストのコンプライアンス調査部が、海外コンプライアンスチェックの第一歩である「KYCチェック」を中心に、その基礎概念から実務上のポイント、ほかの海外調査手法との違い、そして制裁違反によるペナルティの海外事例までを複数回にわたって解説します。