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【《週刊》世界のガバナンス・ニュース#11】シンガポール・セムコープ、エシティ、米アップル、独アリアンツ

シンガポールのセムコープ、物流拠点で太陽光発電

シンガポールの政府系複合企業セムコープ・インダストリーズはこのほど、政府系港湾管理会社PSAと協力し、南部の物流拠点であるケッペル・ターミナルで、移動式太陽光発電施設の運用を始めた。運用期間は3年を予定している。

運用は、セムコープの100%出資子会社セムコープ・ソーラー・シンガポールが担う。15ヘクタールの敷地に3万枚を超える太陽光パネルを設置し、年間発電量2万2500メガワット時を見込む。これは、4ルームの公団住宅5000戸の年間電力使用量に相当する。

セムコープは、太陽光発電施設を手掛ける事業者としてはシンガポール国内で最大。同社としては、再生可能エネルギーの活用を通じ、同国の低炭素社会移行に貢献する狙いがある。

【セムコープ】Sembcorp Pioneers First Short-Term Mobile Solar Project at PSA’s Keppel Terminal
https://www.sembcorp.com/sg/news-and-insights/news/2025/sembcorp-pioneers-first-short-term-mobile-solar-project-at-psa-s-keppel-terminal/

スウェーデン衛生用品大手エシティ、「トランプ関税」発動なら生産拠点を米国にシフトの可能性

スウェーデンの衛生用品大手エシティのマグヌス・グロス最高経営責任者(CEO)はロイター通信のインタビューで、ドナルド・トランプ米大統領が周辺国などからの輸入品に高関税を発動する事態になれば、メキシコとカナダでの生産を米国に移す可能性があるとの考えを示した。

グロスCEOは、米国での売り上げが同社の世界売上高に占める割合は約14%だと説明。米国で販売する製品のうち1割が主にメキシコ、カナダ両国からの輸入品だと語った。

その上で、「必要なら、米国での生産拡大を検討している」と述べた。

エシティは米国で3200人、メキシコで3800人、カナダで404人を雇用している。米国での生産を拡大した場合でも、メキシコ、カナダ両国の工場は現地需要に対応するため、影響は及ばないとしている。

コンゴ「紛争鉱物」めぐる米アップル子会社告訴、ベルギーが捜査担当へ

紛争が続くコンゴ民主共和国(旧ザイール)で、米アップルの子会社が「紛争鉱物」を使用しているとして刑事告訴された件で、ベルギーの裁判所判事が、公判前捜査を担当することが決まった。

アップル子会社は昨年12月、紛争鉱物の使用の疑いでコンゴ政府から刑事告訴された。コンゴの紛争絡みの鉱物が、アップルの国際的な供給網の中でロンダリング(洗浄)され、倫理的に問題のない鉱物として取引されているとされた。

これに対しアップル側は、納入業者に対しては、コンゴ産やルワンダ産の疑わしい鉱物を使用しないよう通告しているとし、告訴に反発していた。

米政府などはコンゴで採掘される金、タンタル、スズ、タングステンなどを紛争鉱物と認定。こうした鉱物はアップル製スマートフォンなどに使用されるが、間接的に武装組織の資金源になっていると見られている。

独アリアンツと欧州投資銀が創設の新興市場向け気候変動基金、735億円規模に

ドイツの保険大手アリアンツの投資部門、アリアンツ・グローバル・インベスターズ(AGI)と欧州投資銀行(EIB)が2021年に立ち上げた「新興市場気候行動基金(EMCAF)」の残高が、4億5000万ユーロ(約735億円)に達した。

官民連携による同基金は、最大75億ユーロ(約1兆2200億円)の調達を目標としている。調達資金は新興国における再生可能エネルギー、持続可能な輸送、林業、水インフラなど150件のプロジェクトに充当される。

同基金はすでに、約80万トンの温室効果ガス削減に寄与している。

【アリアンツ・グローバル・インベスターズ】Emerging markets climate fund created by EIB and Allianz Global Investors reaches final size of €450 million
https://www.allianzgi.com/en/press-centre/media/press-releases/20250123-emerging-markets-climate-fund-created-by-eib-and-allianz-global-investors-reaches-final-size-of-eur-450-million

(毎週火曜日連載、次回#12は2月4日公開予定)

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