大谷翔平を嵌めた「水原一平」はアメリカでどんな施設に収監される?【海外法務リスク#4】

有吉功一:ジャーナリスト、元時事通信社記者

(前回までの記事はこちらから)米メジャーリーグ、大谷翔平選手の専属通訳を務めた水原一平氏(39)。大谷選手の銀行口座から約1700万ドル(約25億円)を不正送金するなどして、銀行詐欺や虚偽の納税申告の罪で訴追されたのを受け、今年6月にカリフォルニア州中部地区連邦地裁に出廷して有罪を認めた。4月には一時拘束されたが、保釈金2万5000ドル(約370万円)を納めて保釈されている。今は、12月20日(当初予定の10月25日から延期)の量刑言い渡しを待っている状態だ。

銀行詐欺の場合、禁錮刑は30年以下、虚偽納税申告は3年以下となっている。有罪を認める司法取引に応じたことが斟酌され、刑期は大幅に短縮される見通しだ。それでも起訴状などによれば、5年前後の実刑は免れないと見られている。

銀行詐欺と同じホワイトカラー犯罪に分類される反トラスト法(独占禁止法)違反などで、これまでに数十人規模の日本人ビジネスマンが米国の矯正施設で服役した。その刑期は大半が1~2年だった。

それに比べると、水原氏の刑期は減刑された後でもなお、かなりの長さとなりそうだ。ポストシーズンに入っても活躍を見せ、まさに“全盛期”の大谷選手を支えるはずだった数年間を捕らわれの身として過ごすことになった水原氏は、いったいどのような施設に収監されるのだろうか。