内部通報制度を「企業価値の中核資産」へと捉え直す特別シリーズ

2026年12年の施行を控える改正公益通報者保護法。消費者庁の監督権限強化、通報者範囲の拡大、そして通報者への不利益取り扱いについて事業者側に立証責任を転換させるといった内容が盛り込まれる。また近年の企業不祥事を見ても、内部通報を発覚の起点としたと思われるものは少なくない。

そのような中、経営者は内部通報制度に対して、どのような認識を持っているだろうか。

確かに、内部通報は一義的には不正検知のシステムにほかならない。しかし、「通報=不正発見」という視点だけでは、この制度が持つ潜在力を見落とすことになる。言い換えれば、内部通報で掬い上げた社内外の「静かな声」をいかに経営全体にフィードバックするかの手腕が問われる、内部通報はそんなターニングポイントに来ていると言える。

そうした問題意識を軸に本シリーズでは、ガバナンスと企業法務に精通する本誌連載でもお馴染みの遠藤元一弁護士が、現場の担当者は元より、制度の最終責任者である経営層に向けて、内部通報システムを単なる不正検知のツールから企業の中核資産へと転換する試みを各フェーズに合わせて提案する。題して「静かな信号を聴く経営」――。

サイト内検索