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【2025年2月20日「適時開示ピックアップ」】ジェノバ、グンゼ、オウケイウェイヴ、MTG

2月20日木曜日の東京株式市場は続落した。日経平均株価は前日から486円値下がりし、3万8678円で引けた。為替相場で円高ドル安が進行し、売り優勢となった。そんな20日の適時開示は260件。これらの中から、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ。周辺情報も交えて紹介する。

位置情報サービス「ジェノバ」日立子会社との業務提携解消を発表

東証グロース上場で位置情報配信サービスのジェノバ(東京・千代田区)は、ポンプやクレーン製造の日立産機システムとの提携を解消すると発表した。

両社は2021年6月に業務提携し、日立産機の産業機械にジェノバの位置情報サービスを組み合わせる予定だった。

今回、ジェノバは「当初想定していた相乗効果を実現することは難しい状況が続いていた」と解消した理由について説明している。

日立産機は日立製作所の完全子会社で、売上高は1926億円(24年3月期)で、ジェノバの売上高は12億6500万円(24年9月期)。ジェノバは23年4月に上場したばかり。“シナジー効果“は、産業界でよく耳にする言葉だが、現実のものとするには大変な労力が必要ということか。

【ジェノバ 】業務提携の解消に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250220579737.pdf

「グンゼ」事業譲渡の交渉が不透明に

東証プライム上場で肌着大手のグンゼは、事業譲渡を予定していた企業から「合意の延長はしない」という通知を受け取ったことを明らかにした。

この事業は、包装や食品加工の機器をつくるメカトロニクスと呼んでいる分野。昨年8月に印刷機器を手掛けるホリゾン(未上場、滋賀・高島市)にメカトロニクス事業を譲渡することで基本合意した。

グンゼによると、これまで両社で交渉を進めてきたが、ホリゾン側から合意書の期間延長を行わないという通知が送られてきたという。交渉期間は今年2月初旬までだった。

グンゼは「ホリゾン社が設立する新会社への事業譲渡が最善であると考えている」とコメントし、引き続き事業譲渡の交渉を継続する考えだ。

【グンゼ】(開示事項の変更)メカトロ事業の事業譲渡に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250220579325.pdf

「オウケイウェイヴ」めぐりコンサル会社のアドバイザリーが逮捕

名証ネクスト上場でコミュニティサイトなどを運営するオウケイウェイヴ(東京・港区)は、オウケイウェイヴ株式をめぐる金融商品取引法違反(インサイダー取引)事件で逮捕者が出たことに触れ、「当社及び当社グループの役職員の関与はない」との見解を示した。マスコミの報道に対応した形だ。

NHKなどの報道では、オウケイウェイヴのアドバイザリー業務をしていた都内のコンサルティング会社の代表が、未公開情報をもとに株を不正に売ったとして、2月20日、東京地検特捜部にインサイダー取引の疑いで逮捕された。

オウケイウェイヴは「捜査当局に全面的に協力していく」とコメントしている。

【オウケイウェイヴ】一部報道について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250220579534.pdf

不適切広告発注「MTG」子会社の役員選出でバックグラウンドチェック導入

東証グロース上場で子会社による不適切な広告の発注が発覚した健康美容機器のMTG (名古屋市)は再発防止策を発表した(本誌関連記事)。

子会社の役員を選ぶ際、外部の調査会社を使ったバックグラウンドチェック(採用調査)を必須にする。そのほか、子会社の業界で特殊な商慣行の有無がないことを確認したり、MTG本体内に子会社の経営や統制で違和感がないかどうかを分析する部署を設けたりするとしている。

今年2月10日に公表された調査報告書で、広告業界の商慣習として広告の発注には必ずしも社印で押印された発注書が求められず、口頭やメールで発注されることが珍しくなかったことが指摘された。このことが不適切な取引の一因になったとの見方で、MTGは二重三重にチェックしていく考えだ。

【MTG】再発防止策の策定等に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120250220579832.pdf

(平日連載、2月21日公表分に続く

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