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【2024年12月26日「適時開示ピックアップ」】新明和工業、アクアライン、DIC、日鉄、日本ケミコン、積水化学

12月26日木曜日の東京株式市場は続伸した。日経平均株価は、前日比437円高い3万9568円で引けた。トヨタ自動車や本田技研工業(ホンダ)などの自動車メーカーと、インバウンド需要に支えられた百貨店が牽引した格好。そんな26日の適時開示は212件。この中からコーポレートガバナンスやコンプライアンス、リスクマネジメントなどで注目されるリリースをピックアップ、周辺情報も交えてお送りする。

「新明和工業」11月の立入調査に続き公取委の“意見徴収通知書”

東証プライムでダンプやごみ収集車など特装車両を主力とする新明和工業は、公正取引委員会から、独占禁止法に基づく排除措置命令書(案)と課徴金納付命令書(案) に関する意見聴取通知書を受け取ったと発表した。課徴金は5587万円という。

新明和は2023年9月、機械式の駐車機の販売で独禁法違反の疑いがあるとして、 公取委の立入検査を受けていた。今後、公取委から説明を受けたうえで、慎重に対応を検討するとしている。

なお、新明和は24年11 月12 日にもトラックの荷台に付ける架装物の販売でも公取委の立入検査を受けている。

【新明和工業】公正取引委員会からの意見聴取通知書の受領について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241226544745.pdf

「アクアライン」加盟店との不明朗取引で有報訂正報告書を提出遅延

東証グロース上場で水回り修理サービスを手掛けるアクアラインは、12月中に提出を予定していた2022年2月期の有価証券報告書の訂正報告書について、監査手続きが終わらず、25年1月10日に変更すると発表した。

加盟店との不明朗な取引が発覚したアクアラインでは、24年9月に特別調査委員会が、経営陣のコンプライアンス意識の希薄さなど原因とする報告書をまとめていた。当時の監査法人が「意見不表明」の措置をとり監査法人が交代していた(本誌既報)。

現在、期末残高の確認などを実施しているという。

【アクアライン】2022年2月期の有価証券報告書等の訂正報告書提出予定日変更に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241226545234.pdf

「DIC」が千葉・佐倉の企業美術館を東京に移転

東証プライム上場で印刷用インキ大手のDICは千葉・佐倉市にある「DIC川村記念美術館」について、規模を4分の1に縮小して東京都内に移転させると発表した。

運営方法も、これまでのDIC単独ではなく、公益性が高い団体との連携を模索する。来館者数の増加と運営コスト低減などで運営収支を大幅に改善できるとしている。2025年4月1日から休館。移転後の開館時期は未定という。

川村記念美術館は1990年の開館。17世紀のレンブラントによる肖像画、モネやルノワール、ピカソ、シャガールなど貴重な作品を収蔵している。

【DIC】「美術館運営」見直しの検討結果並びに 今後の美術館運営に係る方針についての最終報告
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241226544996.pdf

「日本製鉄」のUSスチール買収は“レームダック”のバイデン大統領判断に

東証プライムの日本製鉄は、USスチールの買収手続きについて、実行日を「2024年第3または第4四半期」から「2025年第1四半期」に変更すると発表した。

12月23日に対米外国投資委員会がこの買収の判断を任期残りわずかのバイデン大統領に委ね、現在も審査中という。このほか、米国の独禁当局による審査も続いているとしている。

【日本製鉄】(開示事項の変更)米国 United States Steel Corporation の買収について
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241224542433.pdf

「日本ケミコン」イスラエル競争法訴訟で和解金5億超円支払いも“責任は認めず”

東証プライム上場で電解コンデンサに強い日本ケミコンは、イスラエルでの集団民事訴訟が和解したと発表した。

この訴訟は、電解コンデンサなどの商品でイスラエル競争法違反があったとして、イスラエル中央地方裁判所に損害賠償訴訟が提起され、審理が続いていた。日本ケミコンは「責任を認めておりません」としながらも、総合的な判断で、原告団に和解金として350万米ドル(約5億円2000万円)を支払う。

【日本ケミコン】イスラエル集団民事訴訟の和解に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241225544430.pdf

「積水化学」ペロブスカイト太陽電池の量産化開始

東証プライム上場の積水化学工業は、ペロブスカイト太陽電池の量産化を始めると発表した。2030年に本格的な製造ラインの構築を目指す。

大阪・堺市にあるシャープの本社工場の建物や電源設備を使うとしている。

ペロブスカイトは鉱物の一種で、太陽電池は光エネルギーから直接電気を作る仕組み。ペロブスカイト太陽電池はこれまでの太陽光パネルと比べ、軽く、曲げられるのが特徴。コストや耐久性に課題があるとされる。

【積水化学工業】ペロブスカイト太陽電池の量産化に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241226544787.pdf

(平日連載、次回連載は2025年1月6日)

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