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【2024年9月20日「適時開示ピックアップ」】サンウェルズ、シャープ、はてな、西川ゴム 他

上場企業が投資判断上重要な情報として公表する「適時開示情報」。前日付で発表された適時開示からコーポレートガバナンスやリスクマネジメントに関連するリリースを抽出してお届けする本連載。第1回は2024年9月20日金曜日付の適時開示情報である。同日は、全上場企業で213件の適時開示があったが、その中から以下のものを抽出、補足情報を入れながら紹介していく。

共同通信報道を受けて特別調査委員会を組成したサンウェルズ

■介護事業や老人ホームを展開する東証プライム上場のサンウェルズが、弁護士らでつくる「特別調査委員会」を設けることを決めた。共同通信が9月2日に「不正な新報酬を請求」と報じたことがきっかけだ。リリースでは「問題の有無をはっきりとさせるため」としており、特別調査委の委員長には辺誠祐弁護士(長島・大野・常松法律事務所パートナー)が就任、池田雄一氏(PwCリスクアドバイザリー・パートナー)、同社社外取締役(監査等委員)の中西祐一弁護士の2人が委員を務める。

【サンウェルズ】特別調査委員会設置に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9229/tdnet/2503067/00.pdf

■東証グロース上場のインターネットサービス、はてなが会計監査人の異動を発表した。10月25日の定時株主総会の決議を経て、これまでのあずさ監査法人から太陽監査法人へと変更。大手か準大手になる。理由は「(あずさ監査法人が)長年にわたって監査を継続していることから、会計監査人の交代により新たな視点での監査が期待できることに加え、当社の業務内容や事業規模に見合った監査対応及び監査報酬の相当性を総合的に勘案した」としている。ちなみに2023年7月期の同社の有価証券報告書によると、あずさ監査法人の監査の継続期間は10年で、監査報酬は2800万円だった。

【はてな】会計監査人の異動に関するお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3930/tdnet/2503183/00.pdf

■東証グロース上場でクラウドセキュリティサービスのHENNGEが監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に変更することを公表した。正式には2024年12月の定時株主総会を経てになるが、現在、監査等委員会設置の上場企業は約1620社で、監査役会設置会社の2100社に迫る勢いだ(2024年9月24日時点の上場会社数は3952社)。なお、同社は本リリースと合わせて、任意の指名・報酬委員会を設置することを発表している。

【HENNGE】監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS92184/75034c31/0dbe/4d01/9a08/4401e847c5e1/140120240910582976.pdf

米国企業からの特許侵害訴訟を500万円で和解したシャープ

■電子部品などを製造する東証スタンダード上場の巴川コーポレーションは、静岡工場で火災があったことを明らかにした。9月17日夜に発生し、18日未明の深夜に鎮火した。早急に原因を究明するとともに業績に影響があった場合は開示するという。なお、地元の静岡新聞は18日付でこの火事を報じている。

【巴川コーポレーション】当社静岡工場における火災発生について(第1報)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3878/tdnet/2503016/00.pdf

■自動車部品で東証スタンダード上場の西川ゴム工業は、役員報酬の一部を“自主返上”する。子会社で棚卸資産の過大な計上という不適切な会計があったためで、社長・会長らが報酬の30%を3カ月カットするという。

【西川ゴム工業】役員報酬の一部自主返納に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240920587078.pdf

■電機大手のシャープは、米国企業、Encryptawave Technologies社との特許侵害訴訟が和解で終焉したと発表した。ET社は、同社が保有する米国特許1件をシャープが侵害しているとして、米国テキサス州の裁判所に提訴していた。和解金として 3万5000 US ドル(507万円)を支払い、訴訟対象の特許を含む米国企業が保有する全特許のライセンスの許諾を受けるという。

【シャープ】和解による特許侵害訴訟の解決に関するお知らせ
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120240920586948.pdf

(平日連載、2024年9月24日公表分に続く)

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